【イスラエル】「次の段階」前にガザ空爆強化と軍表明－地上侵攻示唆 - ブルームバーグ

イスラエル軍当局は軍事作戦の「次の段階」に備え、パレスチナ自治区ガザに対する空爆を強化すると表明した。次の段階とは地上侵攻を指している可能性が高い。

　　エジプトからガザに支援物資が運び込まれ始めた。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が２週間前に始まって以来初めて。ガザの人道的な状況が悪化する中で、米国と欧州、アラブ諸国の首脳が求めていた主要な事項が一つ、実現した。

　　軍事衝突の拡大防止策を探る国際会議「カイロ平和サミット」が、21日にカイロで開催された。アラブ諸国の首脳は、ガザに対するイスラエルの報復攻撃を「集団的懲罰」だと非難。アラブ首脳や一部の欧州当局者は、イスラエルとパレスチナの２国家共存の必要性を強調した。

　　エジプトのシシ大統領は、同国とガザ地区の境界にあるラファ検問所について、「持続的に」開かれているべきだとの考えでバイデン米大統領と一致したと述べた。

　　20日遅くにはガザ地区から米国人の人質２人が解放された。イスラエルと米国の当局者は、ハマスを排除した後のガザの統治形態について議論を始めていると関係者が明らかにした。

Aid Supplies Build Up In Egypt

Aid trucks moved into Gaza on Oct. 21 for first time since the start of the Israel-Hamas war

Source: Israel Defense Forces; Google Earth

イスラエル軍、ガザ空爆を強化へ

　　イスラエル国防軍のハガリ報道官は「戦争の次の段階が近づく中で、可能な限り最善の状態で入る必要がある。われわれは今それを行っている」と発言。「次のいくつかの段階におけるわが軍のリスク範囲を狭める。ガザの住民に対し、南部への移動を続けるようあらためて促している理由は、そこにある」と述べた。

　　発言はテレビで放送された。同報道官は空爆強化の狙いを詳しく語ることはなかったが、ガザへの地上侵攻が近づいていることを示唆した。

カタール、民間人人質「ごく近いうちに解放」と独紙に

　　カタール外相の顧問で同省報道官を務めるマージド・アンサリ氏は、ハマスの人質となっている各国の民間人について、現在行っているハマスとの交渉を通じて「ごく近いうちに」全員が解放されるとの楽観的な見通しを示した。ドイツ紙ウェルト日曜版が報じた。

　　カタールはハマスに拘束されていた米国籍２人の解放で主要な役割を果たした。

ハマス拘束の民間人人質｢ごく近いうちに｣全員解放、カタールが独紙に

メンバー殺害され、イスラエルにミサイル発射した－ヒズボラ

　　レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは、イスラエル領内の１カ所に誘導ミサイルを発射したほか、両国国境付近にある複数の標的に向けてミサイルを撃ったと、同組織のアルマナルＴＶが報じた。ヒズボラのメンバー１人が死亡したことを受けた措置だとしている。

　　イスラエル軍は、対戦車ミサイルがイスラエル北部に向けて発射され、軍が応戦したと説明した。

イタリア首相、イスラエル訪問へ

　　イタリアのメローニ首相は、カイロで21日に行われた「平和サミット」に出席。同日中にイスラエルを訪問する。

ガザ市に避難呼び掛けのビラ投下、トーン強まったと住民

　　イスラエル軍機は21日、ガザ市にビラを投下し、民間人である全ての住民にガザ地区南部への避難をあらためて呼び掛けた。

　　住民らによると、ビラには「避難しないことを選んだ者は誰であってもテロ組織の一員と指定される公算が大きいだろう」と書かれており、以前に比べてトーンが強まったと住民は受け止めている。

ハマス排除後のガザ、米国とイスラエルが統治形態を検討

　　ハマスを排除した後のガザの統治形態について、米国とイスラエルの当局者が議論を始めている。米政府内の検討状況について知る複数の関係者が明らかにした。国連が支援し、アラブ各国政府が関与する暫定政府を樹立する案などが検討されているという。

ハマス排除後のガザ、米国とイスラエルが統治形態を検討－関係者

イスラエル、レバノンからの発射に応戦と発表

　　イスラエル国防軍は、レバノンからイスラエルに向けて多数の発射があったことを受け、応戦していると明らかにした。

　　レバノン国営通信ＮＮＡはこれより先、イスラエル軍が両国国境付近の村を攻撃したと報じた。

　　イスラエル側は20日夜、イスラエル領空に向けてレバノンから飛行してきた「標的」を自国領内に入る前に阻止したほか、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの拠点を攻撃したと説明した。

「平和サミット」開催

　　カイロで開かれた同国際会議で、エジプトのシシ大統領はパレスチナ人をガザから追放するという選択肢を拒否。ヨルダンのアブドラ国王は、イスラエルがガザへの攻撃を強化する中で、パレスチナ人の命はイスラエル人の命ほど重要でないというメッセージをアラブの人々は受け取っているとの見解を示した。

　　欧州連合（ＥＵ）のミシェル大統領は、今極めて重要なのは「永続的な解決策に向けてあらゆる努力をすることであり、それは２国家共存という解決策に基づくものでなければならない」と主張した。

平和サミット、アラブがイスラエルの報復非難－２国家共存の訴えも

支援物資載せたトラックがガザ入り、軍事衝突以来初めて

　　ガザ向けの支援物資を載せたトラック約20台がエジプトとガザの国境であるラファ付近の国境を通過し始めた。エジプトのテレビチャンネル、エクストラ・ニュースが21日、映像を放映した。

It seems that shortly, @WHO health supplies will finally be moving towards Gaza through the Rafah crossing.

The supplies include trauma and chronic disease medicines, and basic essential medicines.

WHO calls for:
- protection of humanitarian teams in Gaza
- sustained…
— Tedros Adhanom Ghebreyesus (@DrTedros) October 21, 2023