[カイロ/エルサレム/ガザ/ワシントン/パリ 20日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマス軍事部門の広報官アブ・ウバイダ氏は20日、ハマスがカタールの調停努力に応じ「人道的理由」により、人質として捉えていた米国人の女性とその娘の2人を解放したと発表した。
ウバイダ氏は「バイデン氏とバイデン氏の独裁的な政権の主張が虚偽かつ根拠のないものであることを米国民と世界に証明することに加え、人道的理由により」人質を解放したと述べた。
ネタニヤフ首相は声明で、2人はガザ地区との境界付近でイスラエル軍に引き渡され、「家族が待つイスラエル国内の軍事基地に向かっている」と明らかにした。
ブリンケン米国務長官は、在イスラエル米国大使館のチームが間もなく2人と会う見通しとした。
米メディアや開放された2人の家族などによると、2人は米中西部イリノイ州シカゴ近郊に在住し、親族が住むイスラエル南部キブツ・ナハル・オズを訪れていた際にハマスの攻撃に合い、人質となっていたという。
バイデン米大統領は2人の解放を支援したカタールとイスラエルの協力に謝意を表明した。
情報筋は、この日の人質解放は「初めの一歩で、さらなる人質の解放に向け話し合いが続いている」と明らかにした。
ブリンケン長官によると、7日のハマスの奇襲以降、なお米国人10人の消息が不明となっており、「うち何人かはハマスの人質になっている」という。
ハマスはこれまでに計約200人を人質に取っているとしている。
フランスのマクロン大統領は米国人2人解放のニュースを歓迎し、フランス人を含む他の人質の解放に向けた動きが続くことに期待を表明した。
7日のハマスによる攻撃で、フランス人30人が死亡、7人が行方不明となっている。1人はハマスの人質となっているもようだが、残る6人の消息は不明という。
マクロン大統領は、イスラエルやカタール当局と連絡を続けているとしたほか、20日にはサウジアラビアやカタール、エジプト、イスラエルの首脳らと会談。21日にはエジプトで開催される会議に外相を派遣するとした。
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