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ビクともしない人々、涙の靴屋店主「助けて」と見つめる若者救えず…ソウル雑踏事故 - 読売新聞オンライン

 【ソウル=上杉洋司】韓国ソウルの繁華街・梨泰院で158人が死亡した雑踏事故は、29日で発生から1か月を迎える。

 事故現場となった幅約3メートルの坂道は、約2週間前に通行止めが解除された。壁には「安らかに眠って」などと書かれた付箋がびっしりと貼られ、菊の花などが手向けられている。

 この坂道で11年前から営業する靴屋の店主(80)は、「助けてください」と叫ぶ若者らの声が今も耳にこびりついたまま離れない。

 10月29日午後10時すぎ、女性3人が立て続けに店に転がり込んできた。靴は脱げ、足はあざだらけ。手当てをしていると外から悲鳴が聞こえた。ガラス張りのドアの向こうに、何重にも人が折り重なっているのに初めて気づいた。

 ドアを開けて、人を店内に入れようとしたが、どれだけ引っ張ってもビクともしなかった。坂道の上にいる人に下がるよう叫んだが、状況は変わらない。何もできないまま、時間だけが過ぎた。

 「『助けて』と私を見つめる若者たちを救えなかった。罪悪感でいっぱいだ」と、涙を浮かべながら振り返った。「せめて 冥福めいふく を祈りたい」と、事故後、店で寝泊まりを続けている。

 事故前の梨泰院は毎晩、若者や外国人らでにぎわっていたが、現場周辺のバーやクラブの多くは、閉店したままだ。街は日常を取り戻せていない。

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