【北京=三塚聖平】バイデン米大統領の就任をめぐり、中国は新政権発足を関係改善の糸口にしたいとの期待感を示しつつ、米中対立の長期化は避けられないとも覚悟して警戒を緩めていない。
中国外務省の華春瑩報道官は21日の記者会見で、バイデン氏に祝意を表明した。華氏は、バイデン氏が就任演説で「結束」を強調したことに触れ、「まさしく現在の中米関係が必要としているものだ」と米側にアピールした。
一方で、中国外務省は同日、中国の主権を深刻に侵害したとして、トランプ前米政権で国務長官を務めたポンペオ氏ら28人に制裁を科すことを発表した。28人は中国、香港、マカオに入ることを禁じられ、関係する企業や機関による中国側との取引が制限される。
貿易摩擦などで対立を続けた前政権に報復するとともに、バイデン政権が対中強硬路線を継続しないようくぎを刺す狙いがあるとみられる。
21日付の中国紙・新京報は社説で「米側が対中関係の摩擦を減らして協力することを望むのなら、バイデン新政権はトランプ前政権下の非理性的なやり方を適切に修正する必要がある」とバイデン氏を牽制(けんせい)している。
国営新華社通信は21日に配信した記事で、バイデン政権が置かれた状況について「新型コロナウイルスの流行や経済の苦境といった目の前の心配事だけでなく、債務膨張や社会の分断などの長期的な課題に直面する。任務は非常に困難で複雑だ」と指摘。コロナ対策や経済再開で先行すると自負する中国が、今もコロナ禍に苦しむ米国を横目に余裕を見せている形だ。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は同日付の社説で「中国と米国の間には戦略的な競争が確かに存在している。しかし、トランプ前大統領は4年の時間を使い、中国を押さえ込むことは米国にとって賢く現実的な選択ではないということを証明した」と主張している。
からの記事と詳細
https://ift.tt/2NqPYKN
世界
Bagikan Berita Ini


0 Response to "中国、バイデン氏就任に期待と警戒 祝意の一方で28人に制裁 - 産経ニュース"
コメントを投稿