欧州連合(EU)は25日、新型コロナウイルスワクチンのEU域外への輸出規制を強化すると警告した。EUは加盟27カ国へのワクチン供給をめぐり、納入量の削減を通知した英製薬大手アストラゼネカと対立している。
欧州委員会のステラ・キリアキデス保健衛生・食品安全担当委員は、EUが「市民を守るために必要な措置を取るだろう」と述べた。
英オックスフォード大学とワクチンを共同開発するアストラゼネカは22日、ワクチンの生産面で問題が生じているとし、当初合意していた供給量に追いつかない恐れがあるとEUに通知した。
全加盟国を代表してワクチンを購入するEUは、ワクチン接種に向けた展開が遅いと批判を受けている。
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EU域外へのワクチン輸出の規制が強化されれば、米ファイザー/独ビオンテック製ワクチンのイギリスへの供給にも影響がおよぶ可能性がある。ファイザーはベルギー工場で生産したものをイギリスに供給しているからだ。
イギリス政府は複数のワクチン供給事業者と「密に連絡を取っている」とした。
「わが国のワクチン供給と、予定されている納入量で、2月15日までに完了させる予定の4つの優先グループ全てへの1回目の接種を完全にまかなえる」と、英政府の報道官は述べた。
ファイザー/ビオンテック製ワクチンの納入量の減少を受け、一部のEU加盟国ではすでに予防接種計画が当初の予定より遅れている。複数の国が法的措置を取ると警告している。
EUの主張
欧州委員会のキリアキデス氏は25日、アストラゼネカとの協議について、「透明性が欠如し、説明が不十分で不満な結果に終わった」とツイートした。
「EU加盟国は団結している。ワクチン開発者には守るべき社会的責任と契約上の責任がある」
キリアキデス氏はまた、EUが「ワクチン納入の詳細な計画」を提出するようアストラゼネカに求めたと説明。27日に再び同社と協議するという。
キリアキデス氏は、「将来的には、EU域内で新型ウイルスの感染症COVID-19ワクチンを生産する全企業に対し、第三国へのワクチン出荷の事前申請を求めることになる」と警告した。
アストラゼネカはEUの発表についてコメントしていない。
アストラゼネカの納入状況
アストラゼネカは先週、生産面で問題が生じたとして、EUへのワクチン納入量が想定よりも少なくなると明らかにした。
ロイター通信はある関係者の話として、アストラゼネカは3月までに、EU加盟27カ国にあわせて約8000万回分のワクチンを納入する予定だったと報じた。
どれくらいの量が不足するのか公に認めてはいないものの、この関係者はロイター通信に対し、第1四半期のワクチン供給量はEUとの合意水準を60%下回る3100万回分になる可能性があると述べた。
アストラゼネカ製ワクチンはEUの医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)の承認を得ていないが、今月末までに認可が出る見込み。
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