2021年02月01日00時40分
【モスクワ時事】ロシア帰国後に拘束された反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求めるプーチン政権への抗議デモが31日、ロシア全土で行われた。抗議デモは23日に続き2回目。治安当局は首都モスクワ中心部を事実上封鎖したほか、前回と同様に参加者を取り締まり、人権団体によると、80以上の都市で4027人が拘束された。
再度の抗議デモ取り締まりで、プーチン政権に対する内外の批判が一層高まるのは必至。政権は強硬姿勢を崩していないが、反政権の機運は広がりを見せている。政権と反体制派の攻防は激しさを増しており、事態が長期化すれば政権基盤が揺らぎかねない状況だ。
昨年8月に起きたナワリヌイ氏の毒殺未遂事件では、連邦保安局(FSB)の化学兵器専門グループが関与したと報じられた。反体制派は抗議の意図を込め、モスクワのデモをFSB本部前で計画したが、治安当局は警官隊を配置し、通行を制限。封鎖を受けて別の場所に集まったデモ隊のほか、ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんも拘束された。
ナワリヌイ氏の関連団体がインターネットで公開したプーチン大統領のものとされる「宮殿」の暴露動画は、再生回数が1億回を超え、大きな反響を呼んでいる。拘束中のナワリヌイ氏は「(動画の)視聴者の2%が街頭に出れば十分だ。恐れることはない」とデモ参加を呼び掛けていた。
反体制派が勢いづく中、政権は封じ込めに躍起になっている。モスクワで4万人が参加したとされ、全土で約4000人が拘束された前回のデモ後、治安当局はナワリヌイ氏の関係先を次々と捜索し、陣営幹部らを拘束。今回はモスクワ中心部の地下鉄駅を閉鎖し、デモの阻止を図った。
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