新型コロナ:変異種警戒で入国禁止拡大仏はEU域外対象、独は英など - 日本経済新聞

EU域外との出入国禁止を決めたフランスのカステックス首相=ロイター

【ベルリン=石川潤】感染力の高い新型コロナウイルスの変異種への警戒が高まるなか、米欧各国が感染拡大地域からの入国禁止などの措置に動き始めた。フランスが29日、欧州連合（EU）域外との出入国を原則禁止としたほか、ドイツも同日、変異種が広がる英国、南アフリカなどからの入国を禁じた。変異種を水際で食い止めるための事実上の国境封鎖が広がりつつある。

「新たなロックダウン（都市封鎖）を避けるためにできることはすべてやる」。フランスのカステックス首相は29日、差し迫った必要がある場合を除いて、欧州域外との出入国を禁止する方針を発表した。EU域内からの入国でも、検査での陰性証明の提示を義務づける。

フランスの新規感染者数は昨年秋のピークに比べれば減少しているが、いまでも2万人程度と高止まりしている。経済への打撃が大きい本格的なロックダウンを避けるためにも、思い切った水際対策を打ち出すことにした。

ドイツも同日、英国、南アフリカ、アイルランド、ポルトガル、ブラジルなど7カ国からの入国禁止を決めた。ドイツ在住者などは例外で、2月17日までの時限措置とする。ドイツでも変異種が100件以上報告され、警戒が強まっていた。