多数の中国軍機が23、24の両日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した目的は、台湾南方沖を航行中の米空母を目標とした威嚇だった可能性が高いことが29日、分かった。台湾の国防部(国防省に相当)の関係者が明らかにした。米空母はバイデン政権発足後初の南シナ海での任務に向かっていた。中国側は、強い行動で、トランプ前政権の対中強硬策と台湾支援政策からの転換を迫った形だ。
台湾の国防部の発表によると、23日に台湾南西部のADIZに進入したのは轟(H)6K爆撃機8機、殲(J)16戦闘機4機など。
関係者によると、同日には、米空母セオドア・ルーズベルトを中心とする空母打撃群がフィリピン北部のバリンタン海峡を西太平洋から南シナ海に向かって通過していた。H6Kが8機も台湾のADIZ南西部に進入した例は過去になく、空母打撃群に向けて多数の対艦ミサイルを一斉に発射する飽和攻撃を想定した訓練を行った可能性がある。米空母は艦載機を発艦させて哨戒に当たったという。
米空母の通過地点が、台湾・フィリピン間のバシー海峡でなく、さらに南側のバリンタン海峡だったことは、あらかじめ米側が中国を警戒していたことをうかがわせる。
中国軍は24日にはスホイ30、J16など戦闘機計12機と運(Y)8電子偵察機1機などをADIZに進入させた。両戦闘機とも長射程の対艦ミサイルを搭載可能で、発射に関する訓練と同時に電子偵察機で米側の反応を探った可能性がある。
米太平洋艦隊は24日、セオドア・ルーズベルトなどが23日に南シナ海に入ったと発表したが、経路は明らかにしていない。米国務省は中国軍機のADIZ進入後の23日(米時間)、中国による台湾への「軍事的圧力」に「懸念」を表明し、台湾との連携を継続していくとの声明を発表した。
台湾の国防安全研究院の蘇紫雲副研究員は24日、台湾紙、聯合報(電子版)の取材に、米空母がバシー海峡を通過したと推測した上で、中国軍の行動は「米空母への反撃(を意図したもの)だ」と指摘。中国軍機の24日の行動は、米国務省声明への「回答だ」と分析していた。(田中靖人)
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