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新型ウイルスワクチンの公平配分、「壊滅的な失敗」の瀬戸際に=WHO - BBCニュース

A woman gets a dose of Sputnik V vaccine in Moscow, Russia. Photo: 18 January 2021

新型コロナウイルスのワクチン接種が複数の国で進む中、世界保健機関(WHO)は18日、不平等なワクチン接種政策の影響で、世界が「壊滅的な道徳上の失敗」に直面していると警告した。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は18日、より豊かな国で暮らす健康な若者が、貧しい国で暮らす重症化リスクのある人よりも先に予防接種を受けるのは、公平ではないと述べた。

テドロス事務局長は、49の富裕国で3900万回以上のワクチンが投与されている一方で、ある貧困国ではわずか25回分の予防接種しか行われていないと指摘した。

こうした中でWHOと中国は、新型ウイルスの感染症COVID-19への対応をめぐり批判を受けた。

WHOの委託を受けた独立調査委員会は、国連の公衆衛生機関であるWHOはもっと早い段階で国際的緊急事態を宣言すべきだったと指摘。さらに、公衆衛生上の措置をより早期に取らなかったとして中国を厳しく非難した。

これまでに中国、インド、ロシア、イギリス、アメリカがCOVID-19ワクチンを開発している。米ファイザーと独ビオンテックなど、多国籍の共同開発が行われている。

ワクチン開発を行うほとんどの国が、自国民へのワクチン配布を優先している。

テドロス氏の主張

テドロス事務局長は18日、WHOの理事会で、「率直に言わなくてはならない。世界は壊滅的な道徳上の失敗の瀬戸際にあると。そして、この失敗の代償として、世界各地の最貧国で人の命や生活が犠牲になると」と述べた。

そして、「自分優先」の態度はワクチン価格を押し上げ、買いだめを助長するため、自滅的な結果をもたらすことになるとした。

「結局のところ、こうした行動はパンデミックそのものや、パンデミックを封じ込めるのに必要な規制、人間や経済の苦痛を長引かせるだけだ」

テドロス氏はまた、来月開始予定のワクチンの公平な配分計画「COVAX」への全面的な取り組みを呼びかけた。

「全加盟国に対する私の課題は、4月7日の世界保健デーまでに、パンデミックと世界的な健康問題の根底にある不平等を克服するための希望の象徴として、COVID-19ワクチンがあらゆる国で確実に実施されるようにすることだ」

これまでに180カ国以上が、WHOと国際的なワクチン支援団体のサポートを受けるCOVAXイニシアチブに参加している。COVAXは各国をひとまとめにし、製薬会社との交渉力を高めることを目的としている。

92カ国(その全てが低所得あるいは中所得国)はドナーからの拠出金でワクチン費用をまかなうこととなる。

「我々は5つのワクチン生産者から20億回分のワクチンを確保しており、さらに10億回分以上を追加する選択肢もある。2月の提供開始を目指している」と、テドロス氏は述べた。

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テドロス氏の警告への反応は

イギリスのマット・ハンコック保健相は、「イギリスは、世界中の国がワクチンを確保できるよう国際事業を、世界で最も支援しているし、資金提供している」と述べた。

ハンコック氏は「誰もがワクチンへアクセスできるようにするための、世界的な取り組みにおいて、(イギリスが)資金面で最も支援している」とした。

英政府はCOVAXに5億4800万ポンド(約773億8000万円)を拠出している。

英政府のデータによると、同国では400万人以上が1回目のワクチン接種を完了している。

イングランドでは現在、70代や重症化の恐れが非常に高い人々に予防接種が行われている。

特にカナダについては、全国民に5回接種できる量を発注していると、団体側は主張している。

カナダのカリーナ・グールド国際開発相は先月、同国がワクチンを買い占めているとする疑惑を否定。余剰分に関するいかなる議論も「仮定のもの」であり、これほどの量のワクチンはまだ配布されていないとした。

グールド氏は、カナダ政府は発展途上国がCOVID-19に対処するのを支援するため、4億8500万カナダドル(約395億4000万円)を拠出していると述べた。

WHと中国への批判

独立専門家パネルは中間報告で、中国とWHOの両者について、新型ウイルスの感染発生の初期段階で、より早期に行動すべきだったと指摘した。

報告書には、中国政府は2019年後半に最初に確認された、武漢市での初期のアウトブレイクを同地域内にとどめるために、より強硬な対応を取るべきだったとある。

専門家たちはさらに、WHOは2020年1月30日に国際的緊急事態を宣言しただけだったと批判した。

「世界的パンデミックの警戒システムは、目的にかなっていない」と同報告書は指摘。「世界保健機関は任務遂行のための力が不足している」とした。

ニュージーランドのヘレン・クラーク元首相やリベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ元大統領が率いるこの専門家パネルは、昨年7月に設置された。

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