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トンガ物流停止「食糧難の可能性」 火山灰流す雨待つ声も 日本人WHO職員 - 産経ニュース

トンガの首都ヌクアロファで噴火と津波の被害を受けた建物(Marian Kupu/Broadcom Broadcasting FM87.5提供、ロイター=共同)
トンガの首都ヌクアロファで噴火と津波の被害を受けた建物(Marian Kupu/Broadcom Broadcasting FM87.5提供、ロイター=共同)

【シンガポール=森浩】南太平洋のトンガで起きた海底火山噴火から22日で1週間が経過した。現地では津波で3人の死亡が確認され、特に首都があるトンガタプ島以外の島の被害が把握しづらい状況が続く。世界保健機関(WHO)現地事務所に勤務する瀬戸屋雄太郎さん(47)が産経新聞の取材に応じ、物流の停止が続けば「食糧難が懸念される」と話した。

瀬戸屋さんは15日の噴火当時、首都ヌクアロファの建物にいた。突然大砲のような大きな音が5~6回続き、窓ガラスが震えたという。「火山活動が活発化しているとの報があったので、噴火したと感じた」と振り返る。ラジオで津波の可能性を呼びかける放送があったのに続き、小石や灰が降ってきて緊迫感が強まった。

瀬戸屋さんがいたのは海岸から1キロほど離れた地点で自身にけがなどはなかったが、翌日に2センチ程度の火山灰が積もっていたことに驚いたという。

現在、国内に大きな混乱はなく、当初遮断されていた国際通信も復旧しつつある。ただ、「車が走るたびに火山灰が舞い上がって、空気の状況は悪い」と瀬戸屋さんは話した。

待たれているのは恵みの雨だ。現地は雨期だが、この1週間は好天が続き、水の確保と火山灰を流すため、まとまった雨が必要だという。トンガは多くの家が雨水をためて家庭用水として利用。当初は火山灰で雨水が汚染される可能性が指摘されたが、政府は浄化すれば飲用可能との判断を示している。

トンガ政府は21日、これまでの負傷者は14人で人口約10万7千人のうち84%が被害に遭ったと推定していると発表した。津波によって、トンガタプ島西部や、火山に近いハアパイ諸島の3つの島が壊滅的被害に見舞われた。瀬戸屋さんは特に離島について「ガソリンが不足し、発電などに影響する可能性がある。支援が必要だ」と強調した。

トンガ全体でも輸入で生活必需品の多くを賄っているため、海外の物流が止まる状況が続けば物資不足が拡大するとの懸念が強い。

瀬戸屋さんによると、こうした困難な状況にあっても住民は「手を取り合って対応し、復興に向かって動き出している」という。

「助け合って火山灰を掃除しているほか、庭に火山灰がある中でも音楽をかけてみんなで踊っている様子も見た。災害の中にあってもたくましさを感じる」と話した。

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