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吠えまくっていた「戦狼外交」報道官、謎の左遷から見えてくる中国の一大変化 苦境にあえぎ国際社会との協調へ軌道修正か(1/6) - JBpress

苦境にあえぎ国際社会との協調へ軌道修正か

中国外務省の報道官を務めていた趙立堅(2022年3月18日、写真:ロイター/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

「新型コロナウイルスは米国のフォート・デトリック(米陸軍の医学研究施設)から中国に持ち込まれた」といったネット上のデマを吹聴したり、オーストラリア兵が血の付いた刃物を子どもに突きつけている合成写真をツイートしたりして、西側社会から批判され嫌悪されてきた中国の外交部の“戦狼外交”報道官、趙立堅が、突然左遷させられた。

 1月9日、中国メディアによれば、趙立堅はすでに外交部報道局副局長の報道官ではなく辺境・海洋事務局副局長に異動となっている。辺境・海洋事務局は、国境や海洋境界の区画や調査、協力活動に関わる交渉などを担当するが、中国人ですら、そんな部署あったのか、と驚くほど存在感のない部内辺境だ。

 外交部のメーンストリーム出世コースは北米大洋州局、欧州局、アジア局、儀典局、そして報道局であり、外交部報道官は間違いなくエリートコース。そのエリートコースを3年近く務めた趙立堅が、なぜこのような辺境部署に異動になったのか。50歳という年齢を考えても、彼がもう一度外交部のメーンストリームに戻るチャンスはないだろう。

世界に配信された記者会見での失態

 ツイッターのフォロワー190万人の人気者、習近平の戦狼外交を象徴する外交官がいきなり左遷となったことの理由について、先日、とある講演会の場で質問を受けたとき、私はとっさに、やはり歴代報道官と比較しても能力が低いからではないか、答えた。

 私自身、北京駐在記者時代から何人もの報道官の受け答えを見てきて、そのうち何人かは直接言葉を交わしたこともあるが、やはり王毅、劉建超、秦剛、姜瑜らは圧倒的な記憶力、反応力、瞬発力が印象に残っている。さらに言えば、実は個人的に対面すればみんな人当りが柔和で礼儀正しい。

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