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ウォール・ストリート・ジャーナル:ウクライナ侵攻で露呈したロシアの本質、予想される未来は - 毎日新聞

セルゲイ・ショイグ国防相とビデオ会議を行うプーチン大統領。プーチン大統領は4日、極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を搭載したフリゲート艦を大西洋に派遣したことを明らかにした=AP
セルゲイ・ショイグ国防相とビデオ会議を行うプーチン大統領。プーチン大統領は4日、極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を搭載したフリゲート艦を大西洋に派遣したことを明らかにした=AP

ロシアを通常の安全保障を求める通常の国家として誤解している専門家があまりに多い

<Eliot A. Cohen/2022年12月21日>

――筆者のエリオット・コーエン氏は米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院の教授。戦略国際問題研究所(CSIS)で戦略分野のトップも務めている

***

 2月24日、ロシアはウクライナに多方面から侵攻し、ロシア帝国を再び確立するための戦争を始めた。だがこの戦争は、そのとき始まったわけではない。ロシア軍がクリミアを占領し、ドンバス地方に押し寄せた2014年に始まったわけでもない。むしろ、少なくとも20年以上前、ソ連が崩壊して数年のうちに、ロシアがかつての権力を回復するためにさまざまなキャンペーンを始めたときから始まっていた戦争だ。

 つまり、ロシアのウクライナ攻撃は、通常の権力奪取ではないのだ。だからこそ、多くの専門家が誤解している。

 国際関係論を専門とする有識者がロシアの行動を「リアリズム」で説明しようとして失敗するのは、国家を指導者の人格はもちろん、文化や歴史から切り離して考えるからだ。この戦争が北大西洋条約機構(NATO)の拡大の結果であると考えたとき、彼らはロシアを通常の安全保障を求める通常の国家として誤解し、その結果、ロシアの略奪的かつ破壊的な性向を誤解した。ウラジーミル・プーチン大統領はたしかに貪欲で残忍かもしれないが、この問題は一人の独裁者よりもはるかに大きな問題である。

 戦争は社会について多くのことを明らかにするが、今回も例外ではない。ウクライナへの侵攻は、正当な不満や独裁者の願望ではなく、ロシアの帝国的な自己認識というもっと根深い問題だ。だからこそ、ウクライナに勝利をもたらし、そのような野望を打ち砕くことが重要なのだ。

帝国の歴史

 ロシアの歴史は拡大と帝国の歴史であり、まれな例外を除いては、そこから脱却することができ…

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