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プーチン氏「軍」背景に新年演説 ゼレンスキー氏「勝利」訴え―ウクライナ侵攻越年 - 時事通信ニュース

2023年01月02日20時33分

新年演説を行うロシアのプーチン大統領=2022年12月31日、南部ロストフナドヌー(AFP時事)

新年演説を行うロシアのプーチン大統領=2022年12月31日、南部ロストフナドヌー(AFP時事)

  • ウクライナのゼレンスキー大統領とオレナ夫人(大統領府提供)=2022年12月31日(AFP時事)

 ロシアのウクライナ侵攻が越年するに当たり、両国首脳はそれぞれ演説し、戦時下の国民を鼓舞した。ロシアのプーチン大統領は、軍服姿の男女を背景に「最も大切なのは、国の運命だ」と主張。ウクライナのゼレンスキー大統領は「市民の勝利」を訴え、対照的なスピーチとなった。

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 ◇異例ずくめ
 プーチン氏の演説は例年、モスクワの夜景が背景。時差のある各地で新年の鐘が鳴る数分前に放映され、国民の多くは食卓に料理を並べ、テレビで見守る。
 だが、今回は異例ずくめだった。大統領府によると、プーチン氏は戦地に近い南部ロストフ州を訪問し、演説を事前収録。背後に並んだ迷彩服姿の約20人が、お茶の間の国民を無言で見詰める構図で、動員令と戒厳令による「戦時体制」を印象付けた。
 プーチン氏は「困難かつ必要な決断の1年だった」と、内外で批判される開戦決定を自己弁護。「祖国の防衛は、祖先と子孫に対する神聖な義務だ。われわれは道徳的、歴史的に正しい」と語り、ロシアだけで死傷者約10万人とされる侵攻を正当化した。
 9分間の演説で、明確な「感謝」の言葉は4回。向けた先は軍人や軍需企業関係者らで、一般市民にはなかった。例年と変わらないのは、プーチン氏が背広姿だったこと。背後の「軍人」は本物ではなく、政権が手配した役者との説も出ている。
 ◇白旗でなく国旗
 一方のゼレンスキー氏は、侵攻が始まった昨年2月24日からの事件や地名を挙げ、「われわれは白旗を迫られたが、青黄2色の国旗を掲げた」と強調。降伏することなく侵略者に立ち向かった国内各地の軍人や市民すべてに謝意を表した上で、「勝利は必ずやって来る」と力を込めた。
 17分間の演説の結びには、新年が「帰還の年」になるよう祈願。勝利を手にし、国内外の避難民や前線の軍人、捕虜、占領地、日常生活が元に戻ることに期待を示した。
 ゼレンスキー氏はこれとは別の動画メッセージで、プーチン氏の新年演説にコメント。「自分が軍を先導しているのを見せたがっているが、本当は隠れ、ロシアの未来も焼き尽くそうとしている」と指弾した。

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