ロシア軍のミサイルがウクライナ東部ドニプロの高層住宅に着弾して多数の死傷者が出た問題で、ロシア国内で犠牲者を追悼する動きが広がっている。ウクライナ侵略ではこれまでも露軍の攻撃で多数の民間人が死傷したが、各地で追悼の動きが表面化したのは初めてとみられ、国民の反戦機運の強まりを示している可能性がある。露当局は参加者を拘束するなどして、ウクライナへの同情の強まりを警戒しているもようだ。
高層住宅にミサイルが着弾した14日以降、首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルク、南部クラスノダール、中部エカテリンブルクといった大都市で、ロシア帝国時代に活躍したウクライナ出身の詩人の銅像などに、花やろうそくが手向けられた写真が交流サイト(SNS)上に相次いで投稿された。
サンクトペテルブルクでは、ろうそくを並べ「ドニプロ」との文字が書かれたほか、エカテリンブルクでは倒壊した高層住宅の写真が置かれていたという。
露人権団体「OVDインフォ」は17日、モスクワ市内の銅像に花を手向けようとした4人が、付近を監視していた治安当局に拘束されたと報告した。露独立系メディアによると、拘束の情報が伝えられた後、別の場所の銅像に花が手向けられ始めたという。
ウクライナ侵略の開始後、露政権は多数の反戦デモ参加者を拘束するなど、徹底的な言論統制を実施。国民の大半も拘束を恐れて反戦の声を上げてこなかった。このため、無言の政権批判とみなされ、参加すれば当局に拘束されかねない今回の追悼活動の広がりは異例で、ウクライナ侵略への国民の不満の強まりを反映している可能性がある。
各種の露世論調査によると、現在も露国民の7割以上がウクライナでの軍事作戦を支持している。ただ、より本音が反映されやすい手法で調査した場合、侵攻への支持率は相当低下するとの指摘も出ているほか、自身や家族が戦地に送られかねない「部分的動員」の発動後、露国民内にはウクライナとの和平を求める機運が高まったとされる。
実際、露独立系メディアによると、政権側が昨秋に非公式で実施した世論調査で、和平を求める回答者の割合が55%となり、戦闘継続を支持するのは25%に過ぎないとの結果が出た。7月時点の同様の調査では、和平への支持率は32%にとどまっていたという。
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