台湾をめぐる米中の攻防がバイデン米政権の発足直後から激しさを増した。中国軍機は23、24日、台湾の防空識別圏に進入。米政府は中国側を批判し、台湾支援の継続を表明した。だが、バイデン政権は実際に毅然とした行動をとるのだろうか-。台湾側はまだ確信を得られていない。(台北 矢板明夫)
爆撃機8機、戦闘機4機、哨戒機1機。計13機の中国軍機が台湾の南西部の防空識別圏に入ったのは23日。3日前に発足したばかりのバイデン政権の出方を試そうとの狙いがうかがえる。
「米国の台湾への関与は盤石だ」。米国務省が中国の動きへの「懸念」と台湾支援を表明すると、台湾の外交部(外務省に相当)は24日、迅速に応じた。「米国の姿勢を歓迎し感謝する。バイデン政権と密接に協力し、台米の友好関係をさらに強化したい」
台湾の国防部(国防省)によると、その後、さらに中国軍機計15機が米台の協調姿勢を牽制するかのように防空識別圏に進入した。中国軍は台湾にさまざまな挑発行為を繰り返しているが、10機以上の軍用機が連日、防空識別圏に入ったのは極めて異例だ。
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トランプ米前政権は軍事面で台湾支持を鮮明にしていた。台湾への武器売却決定は4年間で11回に上り、米台合同軍事訓練を実施。米インド太平洋軍の情報担当トップを訪台させるなど台湾との軍事交流を通じて中国を牽制した。中国の脅威にさらされる台湾には大きな安心材料となった。
だが、バイデン氏は大統領就任演説でもほとんどを内政問題に割き、外交や安全保障への言及は少なかった。バイデン陣営の幹部らはこれまでに「台湾支持」を表明しているが、「政権の本音なのか」を見極めるのは難しく、台湾の外交関係者らは気を揉んでいる。
与党、民進党の関係者は「歴代米政権はみな台湾重視の姿勢を口では強調するが、具体的な行動が伴う政権と伴わない政権がある。言葉に一喜一憂せず、バイデン政権のこれからの動きを見極めたい」と語る。
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