アフガニスタンの首都カブールの国際空港近くで26日、爆発が2回起こり、米軍によると、米兵13人が死亡、18人が負傷した。空港周辺にいた多くのアフガン人も死傷しており、米メディアは死者が70人を超えたと報じている。バイデン米大統領は過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織による自爆テロとの見方を示し、報復する意向を表明した。今月31日の米軍撤収期限が迫る中、アフガンに駐留する米兵から2020年2月以来の死者を出す最悪の事態となった。
バイデン氏は26日、ホワイトハウスで演説し、情報機関の分析でISの支部組織「イスラム国ホラサン州」(IS―K)の犯行であるとの見方を示した。IS―Kに対し「米国に危害を加えようとする者は許さない。追い詰め、代償を支払わせる」と警告した。ロイター通信によると、IS系列のニュースサイト「アーマク通信」が犯行声明を出している。
バイデン氏はカブールの空港での退避活動について「厳しい状況下や攻撃を受けても活動できるようになっている」と指摘。「軍が必要とすれば、増派を認める」としたが、現状で退避活動を継続できるとの認識も示した。その上で「テロリストに退避活動は止めさせない」と述べ、米軍による空港からの空輸作戦を継続する決意を表明。8月31日の期限までに米軍を完全撤収する姿勢を改めて示した。
また、米軍撤収後も米国人やアフガン人協力者らの希望者に対して退避する方法を考え、支援することも強調。01年9月の米同時多発テロに端を発したアフガン戦争について「20年に及ぶ戦争を終わらせる時だ」とも語った。
中東を管轄する米中央軍のマッケンジー司令官も26日に記者会見した。爆発は空港のゲート付近と近くにあるホテル周辺の2カ所で発生。その後、銃撃もあった。数日前からIS系組織が空港を狙い攻撃する危険が高まっていたという。今後も「攻撃が続くことが予想される。できる限り備えている」と述べた。
米CNNテレビによると、アフガン保健省は少なくともアフガン人60人以上が死亡、140人が負傷したと把握している。
犯行組織とされるIS-Kは、アフガンで再び実権を握ったイスラム主義組織タリバンと敵対してきた。マッケンジー氏もIS系組織によるテロ攻撃などについてタリバンと「情報を共有している」と説明している。
IS―Kは15年に隣国パキスタンの反政府武装組織「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の元幹部らが、ISに忠誠を誓う形で立ち上げた。名称に使われているホラサン州は、アフガンやパキスタンなどを含む地域の名前である。国連の報告書によると、構成員は1000~2200人程度で、米軍の攻撃などで近年は弱体化が指摘されてきたが、都市部でテロを実行する能力は維持していると見られていた。
20年11月にカブール大学で学生ら20人以上が死亡したテロ事件で犯行を主張したほか、アフガンでは少数派のイスラム教シーア派を標的としたテロを繰り返してきた。【鈴木一生(ワシントン)、松井聡】
からの記事と詳細
https://ift.tt/3yiVAZb
世界
Bagikan Berita Ini
0 Response to "カブール爆発、米兵13人死亡 自爆テロか IS支部組織が犯行声明 - 毎日新聞 - 毎日新聞"
コメントを投稿