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ハリケーン「アイダ」は29日、ルイジアナ州沿岸に上陸した。風は2005年に同州を襲ったハリケーン「カトリーナ」よりも強力で、ニューオーリンズは高潮に伴う洪水や停電などの大規模な被害に見舞われる恐れがある。
米国立ハリケーンセンター(NHC)によれば、勢力が5段階で2番目に強い「カテゴリー4」のアイダは現地時間午前11時55分(日本時間30日午前1時55分)に、ルイジアナ州ポートフォーション付近に上陸した。最大風速は時速150マイル(約240キロメートル)という。
この日はカトリーナの上陸からちょうど16年に当たる。カトリーナは同地域に多大な被害をもたらし、1800人超が命を落とした。カトリーナ後に再建された堤防やインフラが、アイダに耐えられるか試される。
同州の病院では新型コロナウイルスの患者2600人余りを既に受け入れており、医療提供態勢は逼迫(ひっぱく)している。一方、ワクチン接種完了は人口の41%にとどまる。
アイダの風速は住宅の屋根をはがし、木や電柱が倒れるほどの強さとなり、海面の水位は最高4.9メートル上昇した。降雨量は最大2フィート(約610ミリ)に達すると見込まれている。
停電は数週間続く恐れがある。停電情報を提供する パワーアウテージ・ドットUSによると、現地時間午後3時半現在、約43万の世帯・事業者が停電している。30日に天候が回復するまで捜索・救出要請への応対開始さえ予定されていない。
バイデン大統領は29日、連邦緊急事態管理局(FEMA)本部を訪問した際、「できるだけ迅速に、必要な期間にわたってメキシコ湾地域の復旧を支援する」と述べた。またアイダによる停電は「一部地域で数週間」の「長期」にわたる恐れがあるとし、「アイダが通過したらすぐに救出と復旧に国の全力を傾ける」と表明した。
アイダの通過に備えている石油掘削業者は日量120万バレル余りに相当する原油生産を既に停止。ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなどは沖合の施設を閉鎖し、従業員を避難させている。
一方、アイダはルイジアナ州で有害な化学物質を扱う工場が密集する地域を通過する進路をたどっており、「キャンサーアレー(がん通り)」と称される工業地帯に沿って環境災害が起きるリスクが高まっている。
地元紙タイムズ・ピカユーン/ニューオーリンズ・アドボケートが米環境保護局(EPA)有害化学物質排出目録(TRI)を基に分析したところでは、有害化学物質の工業地帯の約3分の2がアイダの進路に当たる。これは有害化学物質を生産・保管する590拠点がアイダの影響を受けると見込まれる。
原題: Ida Battering Louisiana With Winds Stronger Than Katrina (2)、 Biden Pledges ‘Full Might’ of U.S. for Gulf Hurricane Recovery、 Ida Path Through ‘Cancer Alley’ Raises Risks at Chemical Plants(抜粋)
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