ワシントン=合田禄
アフガニスタンの首都カブールであった米軍による空港に向かう車両をねらった空爆について、米CNNは29日、この空爆で子ども6人を含む9人の家族が亡くなったと報じた。亡くなった家族の兄弟がCNNと協力する地元のジャーナリストに話したという。
米中央軍報道官の29日の声明によると、米軍は空港に向かう車両を標的とした無人機による空爆を実施。過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織による、国際空港での差し迫った脅威を取り除いたとしていた。
車両から二次的な爆発が起きたが、民間人の死傷者の可能性については調査中で、声明の時点では兆候がないとしていた。
CNNによると、亡くなった9人の家族のうち、6人は2~10歳だった。取材に応じた家族の兄弟は「彼らは普通の家族だった」と涙を流し、「我々はISではない。ここは家族の家だ」と話したという。
一方、AP通信はこの空爆による被害について、アフガニスタンの当局者の話として、無人機による空爆は空港近くの住居ビルに駐車していた車両2台が標的となり、民間人数人が死傷したと伝えた。
空爆による被害を受けた家族の親族はAP通信の取材に、子どもを含む数人の家族が亡くなったと話したという。地区の代表者によると、空爆によって火災が起こり、救出するのが難しかったという。近隣の住民は、空爆の後、子どもたちの遺体を運び出したと話した。
バイデン大統領は28日声明で、「現地の状況は極めて危険なままだ」とし、空港周辺で「今後24~36時間で(テロ)攻撃がある可能性が高い」と報告を受けたことを明らかにしていた。現地の米大使館は28日、確度の高い脅威情報があるとして米国民らに、空港から直ちに離れるよう注意を呼びかけていた。
カブールでは26日に空港付近で爆破テロがあり、米兵13人やアフガニスタン人170人が死亡した。バイデン政権は27日、報復としてアフガニスタン東部でISの支部組織を攻撃し、2人を殺害。カブールでの攻撃は2回目の報復攻撃だった。(ワシントン=合田禄)
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