2021年08月27日20時33分
【ワシントン時事】アフガニスタンで起きた連続テロは、31日の駐留米軍撤収期限までわずか5日のタイミングで発生して米兵に犠牲を強い、バイデン米大統領にとって「悪夢のシナリオ」(ロイター通信)となった。駐留延長を求めていた野党共和党には格好の攻撃材料で、政治的打撃は避けられそうにない。
「すべての責任は私にある」。バイデン氏は26日の記者会見でこう認めた。予定していたイスラエルのベネット首相との会談を延期するなど、終日慌ただしく対応に追われた。
国外退避希望の市民らが殺到する首都カブールの空港付近でのテロは、バイデン政権がまさに警戒していた事態だった。共和党は「起きてはならなかった悲劇」(トランプ前大統領)、「世界中のテロリストを増長させる」(マコネル上院院内総務)と批判のトーンを強める。
バイデン氏は、米同時テロから20年の節目を迎える9月11日を前に、駐留米軍の早期撤収にこだわった。活動が長引けば「武装勢力による攻撃のリスクが高まる」との理由からだが、認識の甘さを露呈。来年秋の中間選挙に向けて功を急いだことが裏目に出た。
拙速な撤収計画には同盟国も懸念を示していた。24日の先進7カ国(G7)首脳緊急テレビ会議では英国などが駐留延長を要請したが、バイデン氏は拒否。米軍との連携が見込めない中、欧州各国はアフガン出国希望者の退避作戦終了を余儀なくされた。
バイデン氏は会見で、米国人らの退避と米軍撤収作業の継続を表明したが、成否はタリバンの姿勢次第という側面も強い。与党民主党からも「米国民の安全についてタリバンを信頼することはできない」(メネンデス上院外交委員長)との声が上がっており、情勢がさらに悪化すればバイデン氏の求心力低下は必至だ。
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