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英、イングランド全域をロックダウン コロナ変異株感染拡大で 学校も休校に - 毎日新聞 - 毎日新聞

国民向けのテレビ演説で、ロックダウン措置について説明するジョンソン英首相=ロンドンで2021年1月4日、AP

 英国のジョンソン首相は4日夜(日本時間5日未明)、不要不急の外出を禁じ、学校も休校とするロックダウン(都市封鎖)措置を5日からイングランド全域に発動すると発表した。新型コロナウイルスの変異株による感染拡大で2020年12月以降、学校が開いたままの事実上のロックダウン地域を段階的に拡大してきたが抑え込めず、全域での休校を実施する厳しい社会規制に踏み切った。イングランド全域でのロックダウンは「第1波」の時(20年3月開始)以来。20年11月以降の事実上のロックダウンを含めると3回目。

 ジョンソン氏は演説で、子供は比較的重症化しにくいが「学校が世帯間感染の媒介の場になる可能性がある」と述べ、オンライン教育への切り替えに理解を求めた。休校は2月中旬までとしている。スコットランド自治政府も4日、休校を含むロックダウンを全域で実施すると発表した。

 英国では20年9月にイングランド南東部とロンドンで確認された変異株の感染が拡大。生活必需品を扱う商店以外は営業を禁じる事実上のロックダウンが12月20日に両地域に発動された。その後、中部や北部にも拡大され、12月31日までにイングランドの人口の8割弱が事実上のロックダウンの対象となっていた。

 変異株について英政府は、従来株と比べ最大で7割感染力が強まっている可能性を指摘。インペリアルカレッジ・ロンドンの研究チームが12月末に出した調査結果では、1人の感染者が他人にうつす平均人数を表す「実効再生産数」(R)を変異株が最大で0・7押し上げている可能性が判明した。調査メンバーは、イングランドで実施された前回の事実上のロックダウン(11月5日~12月2日)の際、従来株による感染件数が3割減となる一方、変異株による件数が3倍になったとも指摘している。

 英国全体の4日の新規感染者数は過去最多の5万8784人。12月29日以降7日連続の5万人超えとなり、医療現場への負担が急激に高まっている。ただ、イングランド公衆衛生局は、変異株は従来株と比べて重症化率が高いとは言えないとの調査結果を出している。

 一方、英国では4日、英オックスフォード大と英製薬大手アストラゼネカが共同開発した新型コロナのワクチン接種が始まった。アストラゼネカ製のワクチンの接種開始は世界初。通常の冷蔵庫(2~8度)で保存が可能で、大規模な接種の展開や途上国での使用も容易になるため、「ゲームチェンジャー(状況を一変させる存在)」になると、期待が高まっている。ジョンソン氏は4日の演説で、このワクチンによって「接種ペースが加速する」として、2月中旬までに70歳以上のすべての高齢者などに1回目のワクチン投与を行う意向を表明。早期に接種を進めることで、社会規制緩和の道筋をつけたい考えを示した。

 英国は12月、世界で初めて、米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発したワクチンの接種を開始した。ただ、ファイザー製はマイナス70度程度の環境で保管しなければならない。英当局はアストラゼネカ製ワクチンを12月30日に承認。ロンドン大衛生熱帯医学大学院のヘレン・フレッチャー教授は英紙デーリー・テレグラフに「このワクチンの承認はパンデミック(世界的大流行)にとっての転換点だ」と述べ、途上国などでの接種展開の可能性に言及した。

 アストラゼネカ製のワクチンの有効性は62~90%で、平均で約70%とされる。2回投与のワクチンで、英国は1億回(5000万人)分の供給を受ける予定。【ロンドン服部正法】

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