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樹齢2500年のオリーブの巨木が消失、ギリシャ森林火災 - Newsweekjapan

<黙示録を思わせる大火が古代ギリシャからの生命の営みを焼き払う>

数日で数千人が自宅からの避難を余儀なくされ、現在も延焼中のギリシャの山火事で、エヴィア島に生えていた樹齢2500年の由緒あるオリーブの木が焼失した。

近くに住むアポストリス・パナギオトウは8月8日、ツイッター上に、火災前と火災後のオリーブの木を撮影した写真を投稿した。

今でも実をつけていたこのオリーブの木は、幹の直径に沿って10人が並べるほどの巨木だったと、ニュースサイト「グリーク・レポーター」は伝えている。

「ロヴィアのオリーブ林」にあったこの太古の木は、約2000年前にギリシャの有名な地理学者で哲学者、歴史家のストラボンの著作にも登場する。

だが、エヴィア島北部の火災後はほとんどが焼失し、空洞だらけの根株の残骸が残るばかりだ。

エヴィア島は、アテネの北東にあるギリシャで2番目に大きな島。6日間以上にわたって山火事が猛威を振るっており、甚大な被害を出している。

これまでに膨大な面積の原生林が焼失しているほか、複数の村が呑み込まれたとロイターは伝えている。

多くの地元住民が、自宅を捨てて避難することを余儀なくされている。沿岸警備隊はすでにエヴィア島の各所で避難を進めており、2000人以上が船で島を離れた。

消防隊は火災を食い止めようと格闘しているが、地元当局は国の支援が不十分だと警告している。

まるでホラー映画

エヴィア島北部にあるイスティアイア‐アイディプソスは、8月8日に「グリーク・レポーター」紙に対して次のように述べた。「率直に言って、もっと多くを救うことができたはずだ。(ギリシャ当局に対して)消防飛行機の派遣を強く要請している。7日にごく一部が到着したが、それでは不十分だった」

「村が次々に焼け落ちている。自治体も次々に破壊されている。これまでに守られたものは、ボランティアと、この島の心ある住民たちによって救われたものだ。われわれの子どもたちは今後、この島の環境と土地を、これまでと同じようなかたちで目にすることはけっしてないだろう。エヴィア島北部をかつての姿に戻すためには、数十年にわたって格闘が続くことになるだろう」

過去30年で最悪の熱波に見舞われているギリシャでは、過去数日の間に首都アテネ郊外を含め約100カ所で火災が発生。エヴィア島も含め、その半分が今も燃え盛っている。一部地域では気温が摂氏45度を超え、火が燃え広がりやすい条件が整っていた。

ミナと名のるエヴィア島の住民は、ペフキの町で避難用フェリーに乗り込んだあとに、ロイターに次のように語った。「まるでホラー映画のようだ。でも、いま起きていることは映画ではない。これは現実であり、私たちは過去1週間、この恐怖にさらされßてきた」

(翻訳:ガリレオ)

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