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社説:ミャンマー政変から半年 国際社会が圧力強める時 - 毎日新聞

 ミャンマーで軍事クーデターが起きてから半年となった。国軍は国際社会の非難に耳を貸さず、市民に対する弾圧を続けている。

 この間に殺害された市民は940人に上り、7000人近くが逮捕された。拷問も行われているという。ネット交流サービス(SNS)にデモ隊支持の投稿をした多くの著名人が指名手配された。

 国軍側は、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝した昨年の総選挙の無効を宣言した。2023年8月までに改めて総選挙を実施するという。

 NLDを排除して国軍系政党に勝たせ、形ばかりの民政移管を演出しようとしているようだ。だが恐怖政治の下での自由で公正な選挙はありえず、国際的にも認められない。

 国軍は、国民意識の大きな変化を見誤っているのではないか。当初はデモ隊を力で抑え込めると考えていたのだろうが、現在も監視の目をかいくぐって短時間のデモが続く。

 半世紀近く続いた軍政が10年前に終わり、人々は民主化を経験した。国内外の情報にも自由に接することができるようになり、国軍支配への逆戻りを嫌う世論が支配的になっている。

 クーデター以降、国際社会は有効な手を打てずにいる。

 国連安全保障理事会は、経済、軍事の両面でミャンマーと関係の深いロシアと中国の反対で、武器禁輸などの強い措置を取れていない。欧米諸国による経済制裁の効果も乏しい。

 日本政府は国軍とのパイプを生かして民主派との対話を促してきたというが、具体的な動きは見えない。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は4月に特使派遣を決めたものの、実現していない。日米中露など周辺国を加えて今週開かれる外相レベルの会合を通じて、事態打開への糸口を探るべきだ。

 新型コロナウイルスの急速な感染拡大も深刻だ。ミャンマー国民は、医療崩壊による人道危機にも直面している。

 国軍の暴力をこれ以上、許してはならない。ミャンマーの混乱と圧政に一刻も早く終止符が打たれるよう、国際社会が圧力を強める時だ。

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